HYROXの基本構成とは?
HYROXのレースは、「1kmラン×8回+8つの機能的エクササイズ」を交互に行う形式で進みます。合計8周のランニングに加え、1周走るごとに下記のエクササイズを1種目ずつこなしていく流れです。
- 1kmラン → 種目1
- 1kmラン → 種目2
- 1kmラン → 種目3
- 1kmラン → 種目4
- 1kmラン → 種目5
- 1kmラン → 種目6
- 1kmラン → 種目7
- 1kmラン → 種目8
この構成により、ランニングの心肺機能強化だけでなく、全身を使った筋力や持久力の向上が期待できます。以下で各エクササイズの内容やコツを解説していきます。
※種目の構成は2025年1月現在のものです。
種目1. スキーエルゴ(SkiErg)
概要
スキーエルゴ(SkiErg)マシンを使い、クロスカントリースキーのストックを漕ぐ動作を再現するエクササイズです。主に上半身(肩・背中・腕)を中心に、体幹を使って力強くハンドルを引き下ろします。心肺機能の向上にも効果的です。
ポイント
- フォーム: 肩がすくまないように意識し、背筋は伸ばす
- 体幹の安定: 腕だけでなく、お腹や背中の筋肉を連動させる
- リズム: 呼吸を合わせ、一定のテンポで繰り返す
難易度: ★★★☆☆(慣れるまでは腕や肩が疲れやすい)
参考動画
種目2. スレッドプッシュ(Sled Push)
概要
重りの載ったソリを前方に押し進めるエクササイズです。脚力(大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋)だけでなく、体幹の強さも求められます。
ポイント
- 前傾姿勢: 背中を一直線に保ち、腰を丸めない
- 足裏全体で地面を押す: かかとからつま先までしっかり使う
- 安定重視: スピードよりも、止まらず安定して押し続けることが大切
難易度: ★★★★☆(下半身への強い負荷と持久力が必要)
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種目3. スレッドプル(Sled Pull)
概要
ロープを使い、ソリを後方から手繰り寄せて引き寄せるエクササイズです。スレッドプッシュ同様の負荷に加え、腕や背中の筋力、さらに体幹の安定性が求められます。
ポイント
- 姿勢: 適度に膝を曲げつつ、背筋は伸ばして腰を落としすぎない
- 全身で引く: 腕だけでなく、体幹を使って強く引くイメージ
- ロープの処理: 引いた後、ロープを足元で絡ませないよう注意する
難易度: ★★★★☆(上半身・体幹にも高い負荷がかかる)
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種目4. バーピーブロードジャンプ(Burpee Broad Jump)
概要
バーピー動作に前方へのブロードジャンプ(大きく跳ぶ動作)を組み合わせたエクササイズ。全身の筋肉と心肺機能を一気に追い込む、非常に強度の高い種目です。
ポイント
- 正確なバーピー: 胸を床につけ、起き上がる際の動作をしっかり行う
- ブロードジャンプ: スクワットの要領で力を溜めて、一気に前方へジャンプ
- 着地の衝撃を吸収: 膝を軽く曲げ、足裏全体で着地してリズムを崩さない
難易度: ★★★★★(疲労度が高く、フォーム崩れによるケガにも注意)
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種目5. ローイング(Rodum/Rowing)
概要
ローイングマシン(エルゴメーター)を使って指定距離を漕ぎ切るエクササイズです。下半身(特に太もも)をしっかり使い、背中や腕を連動させることで効率よく動作できます。
ポイント
- キャッチ → ドライブ → フィニッシュ → リカバリーの流れを意識
- 下半身主導: 脚で強く押し、最後に腕で引くイメージ
- 背中を丸めない: 胸を張り、体幹を安定させる
難易度: ★★★☆☆(フォームによって負荷が激変しやすい)
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種目6. ファーマーズキャリー(Farmer’s Carry)
概要
重いダンベルやケトルベルなどを両手に持ち、指定の距離を歩くエクササイズ。握力・前腕の筋持久力だけでなく、姿勢をキープするための体幹力も必要です。
ポイント
- 胸を張る: 背中が丸まるとバランスが崩れやすい
- 腕は身体の横: ウエイトを身体に近い位置で保持する
- 適度な歩幅: 大股で歩くとふらつきやすいので注意
難易度: ★★★☆☆(地味に疲れる種目。姿勢崩れに注意)
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種目7. サンドバッグランジ(Sandbag Lunge)
概要
サンドバッグやプレートを抱えた状態で歩きながらランジを行う種目です。脚力と同時に、上半身で重量を支える体幹の強さも必要となります。
ポイント
- 膝の位置: 前の膝がつま先より過度に前に出ないように
- 背筋を伸ばす: 重量で前かがみにならないよう要注意
- 安定感: 一歩一歩しっかり踏み込む。勢いで進まない
難易度: ★★★★☆(下半身への疲労が重なりやすい終盤に効く)
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種目8. ウォールボール(Wall Balls)
概要
メディシンボールを使い、スクワットからボールを高く投げる動作を繰り返します。下半身と上半身の連動性が求められ、心拍数も急上昇しやすい種目です。
ポイント
- スクワットフォーム: 膝をしっかり曲げて、力を溜めてから投げる
- キャッチから次の動作へ: ボールを受け取った反動で、そのままスクワットに移行
- 目線: 投げる目標(的)をしっかり見ることでフォームを安定させる
難易度: ★★★★★(心肺・筋力ともに追い込まれる)
参考動画
まとめ&攻略ポイント
HYROXで行われる8種のエクササイズは、全身の筋力・持久力・心肺機能を総合的に鍛えられるよう設計されています。苦手種目を克服するためには、正しいフォームの習得と効率的なペース配分がカギとなります。
- ペース配分
どの種目でも無理に飛ばさず、得意種目と苦手種目でうまく力配分をしましょう。 - フォームの徹底
ケガ予防のためにも、各マシンや動作の正しいフォームを習得することが非常に大切です。 - 持久力+筋力アップ
ランニングと筋トレをバランスよく取り入れたトレーニング計画がポイント。 - 事前練習とシミュレーション
スキーエルゴやスレッド系のトレーニングは普段のジムワークで触れる機会が少ないことも。可能な限り実際の器具で感触を掴んでおくと安心です。
次の記事では、初心者が最短で完走を目指すためのHYROXトレーニングメソッドについて詳しく解説します。ぜひあわせてご覧ください。